そもそも消費税の「納税義務者」はだれなのか?

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「消費税をもらいながら納税していない商売人がいる」という意見を時々耳にする。一方「消費税を売値に転嫁できず納税できない」という業者の声も聞く。さてこの問題をどう考えたらいいのだろうか?
 まず、現在の消費税法はすべての「事業者」(商売人)の「資産の譲渡」(売上)について納税の義務を課している。だから品物を1個100円で売ろうが200円で売ろうが消費税が課税され、納税しなければならないというのが原則だ。そこで例えばもともと100円で売っていたものを95円でつまり5%消費税分を値引して売ったとしよう。この場合消費税はもらっていないのだから納めなくていいのだろうか?ところが違う。値引きをしても納税しなければならないのだ。なぜなら売値の中に消費税分が含まれていることが前提になっているからだ。そうなると消費税をもらっているかいないかは問題でなくなる。さて次に消費税率が上げられれば当然消費税分を上げようとするだろう。しかしこのデフレの下で値上げができるかどうかということだ。今中小業者が困っているのは、例えばサラリーマンが昼食代にかけるお金はどんどん下がっている。コンビニ弁当など300円ほどで賄える。こんな中普通の定食屋さんがそれに対抗しようとしても無理だろう。つまり消費税分がもらえないことになる。しかし納税義務は免れないわけだ。だから仮に赤字であってもそうだ。消費税値上げ前に10万円の黒字だった店が、売上が減り、逆に6万円の赤字になったとしよう。(計算例参照)当然売上には消費税が含まれているものとして計算される。一方経費については例えば人件費などは消費税がかからないから、この消費税のかからない経費を控除して支払った消費税を計算し、売上の消費税から差引納税することになる。こうした仕組みを見れば消費税というのは「所得税」の仕組みとあまり変わらないことになるのではないだろうか。消費税が「第2所得税」といわれる所以だ。いやむしろ消費税よりたちが悪いことになる。先の例でいえば、まさに所得が赤字でも消費税は納めなければならないことになるからだ。このように消費税というのは「事業者」が「納税義務者」になる仕組みになっており、決して「消費者」が納税義務者になっているのではないことがわかる。こういう意味で消費税は「営業破壊税」といえるわけだ。
   (例)①売上100万円 仕入20万円 人件費30万円 その他経費40万円 差引利益10万円 消費税1万9千円
      ②翌年 売上80万円 仕入16万円 人件費30万円 その他経費40万円 差引損6万円
      例②では所得税はかからないが、消費税は1万2千円ほど納付しなければならない

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